文具のメーカーと販売店がフラットになる

文具のメーカーと販売店がフラットになる

 

文具の展示会には様々な規模、やり方がある。今までも多く開催されているのがいわゆる問屋と呼ばれる卸売業が行う展示会だ。大手の問屋であれば300社ほどの文具メーカーを仕入先として取引をしていて、展示会ではその半分強ほどのメーカーがブースを出展し、取引先である文具の販売店を招く。

 

当社はベンチャーの文具メーカーをクライアントとしているが、問屋の展示会に出た場合、どうしても不利になることがある。大手のブランドのメーカーがどうしても認知されやすいからだ。そもそもなぜそうなっているかというと、来場者としての販売店が営業中の店舗のスタッフのシフトをやりくりして短時間の間に会場を回らなければいけないからだ。

 

そうなるとどうしても売れやすいもの、伝わりやすいもの、話題性のあるものを優先的に仕入れる行為に徹底するしかない。メーカーのブースでメーカーからの詳細な説明を聞く時間を持つこともなかなか難しい。

 

そういう販売店のバイヤーのために、問屋の営業も効率を重視してオススメしやすいメーカーのブースから案内せざるを得ない。このこと自体を否定批判しているつもりは全くない。

 

どうやったらベンチャーの文具メーカーの声が届くのだろう。

 

自分としてもいろいろトライしてきた。ある展示会で共同出展という形で大手のメーカーが広いスペースで展開する場所の横にブースを構え、その中を小さく分けてベンチャー文具メーカーで出展する。

 

国際文具・紙製品展ISOTでもここ数年そのような出展方法をとってきた。しかし、今年はどうも同じようには行かないようである。

 

毎年ISOTで使っている東京ビッグサイトが東京オリンピック・パラリンピックのプレスセンターとして使用される準備の関係で、今まで通りの東ホールが使用できなくなるからだ。それだけが理由でないが、今まで出展していた大手のメーカーが軒並み今年の出展を見合わせている。様々な事情があるとはいえ、来場者が期待しているボリュームがそこにない可能性がある。

 

決して安くない出展費用で集客が今まで通りでない展示会に出るのはリスクがある。とはいえ、出展するメリットが完全になくなるわけではないが、ここ数年で何らかの潮目がきているのは何となく体感できる。

 

そんな中、ベンチャーの文具メーカーが今年新たな取り組みを行う。

 

それが今回ご紹介する FRAT #01である。

 

大手のメーカーが単独の展示会などを開催するタイミングでもあるが、ぜひこの彼ら26社が集結して醸し出す「出会いの場」を体感していただきたい。

名刺交換だけで終わるような展示会ではなく、作り手の想いをしっかりと受け止めていただけるような展示会を目指して販売店とともに旅立つことを目標としている。

 

当社は彼らの商品をまとめて営業代行という形で価値を伝えるという機能を果たしてきたが、今回の展示会はそういった間に入るのも無しにして、直接メーカーと対話できる場として展開される。

 

大手のメーカーが展示会に並ぶ場合の説明員は通常であれば営業担当者であるが、この展示会はそうではない。他のメーカーにないアイデアを自ら考え、形にする方法を試行錯誤し、実現するプロセスを全て関わっている当事者が商品の前に立つ。したがって、来場者は作り手の想いを100%受け取ることができる。

 

こんな展示会、今までなかったと言えるのではないだろうか。

 

医者と患者の関係が最近では対等な関係と言われることが多い。文具も同じである。売り手であるメーカーと、買い手でもあり売り手でもある販売店が対等な立ち位置で商談できる「場」が作られようとしている。

 

両者が対等な立場で真剣にビジネスする場とするため、販売店、問屋が対象で一般のユーザーなどは対象外となっている。

 

存分にメーカーと対等な意見交換をしていただきたいと思う。

 

詳細:https://frat.tokyo/

開催日:2019年6月26日(水)、27日(木)
会場:東京都品川区東品川2-6-10 T-ART HALL
入場料:3,000円
(WEB事前申し込みをいただくと無料でご入場いただけます)

https://frattokyo.doorkeeper.jp/events/90744

「販売店・卸売業者向け商談会(一般の方はご来場いただけません)」

 

タイムスケジュール

2019年6月26日 12:00-22:00
2019年6月27日 09:00-18:00